PERT法とは

PERT法とはProgram Evaluation & Review Techniqueの略で、問題解決のステップの最後の仕上げにあたる「手順計画」を合理的にミス無く実施する手法である。「PERT」「PERT法」「パート」「パート法」などと呼ばれる。

工程計画・管理手法、また問題解決手法の1つとして広く知られている。

仕事(プロジェクト)全体を構成する各作業の相互依存関係をネットワーク図にするのが特徴。(PERT図)
各作業の日程計画を作成するとともに仕事全体の所要時間を算出し、さらにクリティカルパスを明らかにして所要時間の短縮を図る。


PERT法はありとあらゆる仕事(プロジェクト)において使用できる。
計画を立てる段階でプロジェクトメンバー全員でPERTを作成すると、一人一人が全体の流れと自分の役割の関係を把握できるため、チームワークの向上や能率アップが期待できる。

参考
@IT情報マネジメント用語辞典

PERT法考案者は?

PERT法は1957年にアメリカ海軍SPO局が考案した。

当時旧ソビエトが人工衛星スプートニクを打ち上げたのを受け、世界戦略の見直しを迫られた。
当初6年を予定していたポラリスミサイル潜水艦の配備計画を4年に短縮する必要があった。

1957年末、アメリカ海軍が海軍内に設立した特別プロジェクトオフィス「SPO(Special Project Office)」にロッキード、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンからのメンバーなども含めてORチームを結成、同計画に参加する3000人以上の要員の仕事を調整するために、スケジューリング・アルゴリズムの研究に着手しPERTが考案された。

PERT/CPM

CPMとは、ネットワーク図を用いた工程管理手法である。
「CPM(critical path method)」のほか、「クリティカルパス法」「限界工程管理手法」とも呼ばれる。

主にコスト最適化のために用いられる手法で、PERTと同時期に考案されたため、共に説明されることも多い。

PERTとは独立して開発されたものだが、ネットワーク図を用いてスケジュールを調整するところが共通している。

PERT法とあわせて「PERT/CPM」と呼ばれることもある。

参考書籍
『PERT・CPM入門』(1965年) 関根 智明

PERT法の導入

PERT法は数種類に分類されている。

・PERT/time
日程管理が中心。最初のPERT。ほかと区別するためにこのように呼ぶことがある。

・PERT/manpower
人や物の管理。

・PERT/cost
原価計算の要素を加えた、人・金・物のコストの総合管理。

・PERT/reliability
信頼性の要素を加えたもの。


日本では1962年頃から建設省、道路公団、建設業界、造船業界で用いられるようになる。
テレビ局の番組放送システムなどにも利用された。

川喜多二郎氏が考案したKJ法の中でPERTが用いられることもある。

PERTのフリーソフト

PERT法を実行しようとすると、大変手間がかかる。
作業のレイアウトが複雑なことと、PERT図を何度も書き直さなければならないからだ。

手間を軽減するために、PERTを実行するためのパソコン用ソフトも発売されている。


フリーソフトではガントプロジェクトが使いやすい。
ganttproject
ガントチャートとPERT図を作成するソフト。
ウェブサイトは英語だが、ソフトは日本語にも対応していて、インストールも簡単です。


日本発の無料ソフトはあまりない。
がんすけ
「がんすけ」はフリーソフト。
「がんすけ2」はシェアウェアで2,000円。試用期間が30日あります。実際に企業でも採用された実績があります。
かなり使いやすいのでこれもおすすめのソフトです。
対応OSはWindows Vista/XP/Me/98/NT/2000



PC-98用のフリーソフト
X\PERT
PERTによる工程管理プログラム


マイクロソフトのProjectが有名だが、個人で購入するには高価。

Microsoft Office Project Professional 2007 日本語版 通常版」の価格は店にもよりますが 約138,600円(税込みだと14万円を超えます)。


また、創造開発研究所の高橋誠がPERT法を簡略に用いるためにカードを用いた「カードPERT法」を考案している。

カードを使うことによって手間が大幅にカットされている。